今回は懸垂は最強の筋トレ種目といわれている理由について、私なりに解説していきます。
体力テストや部活の基礎トレとして何気なく行っていた懸垂は、体の筋肉を効率よく鍛える上で多くのメリットが含まれています。
今回の記事を読んで、そのことについての知識を深めていって下さい。
この記事では以下の内容について、紹介していきます↓。
- 懸垂が最強と言われている理由
- 他の背中トレーニングとの比較
- 懸垂をやる上での注意点
- 0回⇒10回まで懸垂を伸ばすメニューの組み方
懸垂が最強と言われている理由
最初に懸垂が最強の筋トレ種目と言われている理由について、紹介していきます。
実際に私は今まで多くの筋トレ種目を行ってきました。
やり方次第でどの筋トレ種目も絶大な効果を発揮するのですが、私の中では懸垂が1番の種目だと痛烈に感じています。
懸垂を長い期間やり込むことで、それなりの成果を出すことも出来ました。
理由1:コンパウンド種目である
最初に紹介する理由は、懸垂はコンパウンド種目であるということです。
コンパウンド種目とは多くの関節を同時に動かす種目のことで、一度にたくさんの筋肉を動員することが出来るメリットがあります。
たくさんの筋肉を一度に動員することが出来るので、毎レップごとの消費エネルギーも多くなりトレーニングの効果を感じやすくなります。
難易度もかなり高いので、トレーニング上級者になっても長く愛用できる種目です。
他にも代表的なコンパウンド種目の例として、ベンチプレス・スクワットなどのフリーウェイト種目があります。
懸垂同様に多くの筋肉を使うので、成長を比較的早く実感することが出来ます。
理由2:スタビライザーを多く動員する
2つめはスタビライザーを多く動員するということです。
スタビライザーとはその名の通り、体を安定させる筋肉です。
スタビライザーを鍛えることは懸垂に限らず、他のトレーニングでの体の安定化を助けてくれます。
このときにスタビライザーとして働く筋肉は、腹筋、肩、脊柱起立筋、大胸筋など多岐にわたります。
それ故に、懸垂だけで上半身のほとんどの筋肉を鍛えることが出来ます。
スラビライザーを多く動員する種目として、スクワットやベンチプレスなどのフリーウェイト種目があるのですが、これらの種目は基本的な動作を習得することに繋がります。
理由3:プル系の筋力を高めることが出来る
3つめに紹介するのは、プル系の筋力を高めることが出来る、ということです。
ジムなどに行くとDYローやケーブルローイングマシンなどの、プル系の器具がたくさんあります。
懸垂によってプル系の筋力を底上げしておくことで、プル系の種目でのトレーニングボリュームが稼ぎやすくなります。
実際に私も懸垂をしっかりやり込んだおかげで、ラットプルダウンをはじめとするローイング系のマシンの重量を大幅に向上させることが出来ました。
このことからも、懸垂によりローイング動作の筋力を底上げすることは非常に効果的だと感じています。
理由4:取りかかりやすい種目
4つめは取りかかりやすい種目であるためです。
背中の代表種目のデッドリフトやローイング系の種目は、それなりの器具や環境がそろっていない限り行うことはまず不可能です。
それに対して、懸垂はぶら下がるところさえ見つければどこでも出来ます。
一般的な運動公園にはほとんどの場合、ぶら下がれるほどの鉄棒があると思いますので、散歩ついでに鉄棒を使って懸垂することも出来ます。
また懸垂はフォームさえ固めてしまえば、1つのバリエーションを長くやり込むことが出来ます。
バランス良く背中全体を鍛えたいという人にも、懸垂には多彩なバリエーションがあるので非常にオススメです。
理由5:ボリュームを稼ぎやすい
5つめはトレーニングボリュームを稼ぎやすい、という点です。
トレーニングボリュームとは、挙上重量×レップ数×セット数で表されるのですが、このトレーニングボリュームが筋肥大において大切です。
懸垂は腕二本のみで自分の体重を持ち上げる運動をするので、自重トレの中でも一番重量を扱える種目と言っても過言ではありません。
高負荷なトレーニングであるが故に、ボリュームを自然と稼ぎやすくなるのです。
また懸垂がうまく出来ないという初心者の方でも、ゴムバンドや反動を使って追い込むことが出来るのも懸垂の特徴です。
ネガティブでの負荷を感じやすくなるので、高ボリュームかつ高負荷なトレーニングを実現することが出来ます。
理由6:背中の感覚を養える
6つめは背中の感覚を養えるという点です。
トレーニング初心者にとって背中の筋肉に意識を集中することは、とても難易度が高いです。
デッドリフトやローイング種目をしても背中の筋肉を使うの下手だと、どうしても効率の悪いトレーニングになってしまいます。
懸垂はとても難しい種目ですが、うまく出来るようになると背中の筋肉をしっかりと意識することが出来るようになり、他の種目も効率よく行えるようになります。
懸垂により養った背中の感覚を使って、ローイング系、リフト系の種目でのトレーニングの質の向上を図ることが出来ます。
理由7:成長を実感しやすい
7つめは成長を実感しやすいという点です。
懸垂はとても多くの筋肉を使うので、トレーニング初心者の内は毎回のトレーニングごとに重量が上がっていくのを実感できます。
そのため重量の変化に伴った体の変化も起こりやすいです。
実際に私も最初は懸垂が1回も出来なかったのですが、半年間みっちり懸垂をやり込むことで10回以上出来るようになりました。
手に取るように成長を実感できたときの感触は、今でも忘れることが出来ません。
モチベーション維持の面でも、非常にオススメな種目と言えるでしょう。
理由8:追い込みやすい
8つめは 追い込みやすい種目であるためです。
懸垂はバーベルを用いて2本の腕のみで体重を支える種目であるため、自重トレーニングの中でも非常に強い負荷がかかります。
その負荷の大きさは、ウエイトトレーニングと比較しても引けを取らないほど。
そのため、ネガティブでの負荷でも十分な刺激を得ることが出来ます。
懸垂を始めて間もない人は、足を使ってネガティブのみでしっかり追い込むことが出来るのです。
懸垂をそれなりにやっている人でも、加重して出来る回数を減らすことで今までに無い負荷を味わえます。
そのため、経験に左右されない追い込みやすい種目といえます。
理由9:工夫次第で背中全体を鍛えられる
9つめは、工夫次第で背中全体を鍛えられるということです。
懸垂には様々な種類があります。
狭い手幅で行うナローグリップ、広い手幅のワイドグリップ、上げたときに体を前掲させる肩甲下筋チンニングなど、種類によって難易度も様々です。
懸垂をそれなりにやり込むと、普通の懸垂だけでは物足りなくなってくると思います。
加えて1つのやり方に固執しすぎると、筋肉の付き方がアンバランスになる恐れもあります。
そのときに便利なのが、種類を変えて行うということです。
懸垂は各々の経験値によって、やり方にアレンジを加えやすい種目なのです。
理由10:基本的な動作を習得できる
10つめは基本的な動作を習得できるということです。
背中のトレーニングのためのマシンの代表格として、ハンマーストレングス、DYロウ等があるのですが、それらのマシンでは不安定な状態から力を入れる動作を習得することが出来ません。
懸垂の動作は腕を上から下に下ろす基本的な動きになるので、他のトレーニングでの汎用性がとても高くなります。
不安定な状況下で行うので、日常生活の動作の一環としても大いに役に立ちます。
基本的な動作を習得する面では、懸垂は非常に有効な種目と言えるでしょう。
他のトレーニング種目との比較
「懸垂が最強の種目だ!」と言われても、いまいちイメージがつかみにくいと思います。(素晴らしい種目は他にもたくさんあるわけで。)
これからは懸垂と背中の代表種目(デッドリフト・ローイング・ラットプルダウン)を比較しながら、懸垂が最強の理由について紹介していきます。
それでは参ります。
懸垂>デッドリフト
筋トレの王道種目、デッドリフトと懸垂を比較してみます。
デッドリフトは、背中の筋肉を広範囲にわたって鍛えることが出来ます。また、懸垂よりも遙かに高重量を扱えます。
しかし、デッドリフトはフォームが定着していない人がやるとケガのリスクが非常に高まります。
加えてそれなりの高重量を扱うので、しっかりとした環境が必要になるのです。
対して懸垂は、ぶら下がるところがあればどこでも出来ます。
高重量を扱う必要も無いので、ケガのリスクも極めて低いです。
手軽さと安全性を加味して、懸垂が優れています。
懸垂>ローイング
ローイングは、背中をピンポイントに鍛えることに適しています。
懸垂を行うよりも背中の意識を感じやすいので、効率よく背中を鍛えるのに適しています。
しかし、ローイングでは懸垂のような負荷でトレーニングするのが難しくなります。
行う際にもケーブルマシンやダンベルなどの器具が必要になるので、手軽に行えるとは言えません。
加えて、体が安定した状態で行えるのでスタビライザーの関与が少なくなります。
他種目への汎用性、負荷の大きさ、手軽さの観点よりここでも懸垂に軍配を上げます。
懸垂>=ラットプルダウン
ラットプルダウンは、懸垂に似たフォームであるため使う筋肉も似ています。
そのため、懸垂に似たトレーニング効果を得ることが出来ます。
また自分のレベルに合わせて、負荷を調整しやすいです。
唯一懸垂にかなわない部分は、安定性にあります
ラットプルダウンは下半身が固定されているので、体幹周りの筋肉を必要としません。
全身の筋肉の稼働率の観点では、懸垂の方が優っています。
懸垂をやる上での注意点
懸垂は上半身トレの中でも最強の種目なのですが、行うに当たっていくつか注意点があります。
実際私が懸垂を始めた当初は、これらの注意点に気づくことが出来ず結果として効率の悪いトレーニングになっていました。
長く懸垂をしている過程で、注意しなければならないポイントに気づくことが出来たので紹介していきます。
それではいきます。
休息をとる
懸垂をする時に注意してほしいのが、しっかりと休息をとると言うことです。
冒頭でもお話しした通り、懸垂は非常にリターンの大きい最強種目です。
高頻度で行うほど超回復も促されますので、高い効果を実感しやすくなります。
しかし、懸垂は非常に高強度なトレーニングであると言うことを忘れてはいけません。
高強度であるが故に、体への負担も大きくなります。
疲労のマネジメントもかねて、適度に休息の期間を設けることが大切になります。
フォームに気をつける
懸垂を始めたばかりの頃は基礎筋力が低いので、がむしゃらに懸垂をするだけでもある程度の効果を実感できます。
しかし、ある程度上達してくると本格的にフォームの習得を検討する必要があります。
上達して回数がこなせるようになると、関節への負担が大きくなります。
このときに正しいフォームで行えていないと、ケガをしてしまう可能性も大きくなります。
狙った筋肉を動かすことも出来ないので、懸垂の質も下がります。
実力に伴ってフォームを上達させることを念頭に入れて、懸垂に取り組んで下さい。
やり方を日によって変える
トレーニングをマンネリ化させないためにも、日によってメニューを変えて行って下さい。
私には懸垂が伸び悩んでいる時期がありました。この時期は高頻度で懸垂に取り組んでいるにもかかわらず、出力が全く向上しませんでした。
今思い返してみると、トレーニングのマンネリ化が原因だったと思います。
この頃行っていたメニューは、ひたすら高回数を懸垂でこなすというもの。
加重することもなくひたすら自重で行っていたので、当然筋力も向上しませんでした。
そんなある日、加重懸垂を積極的にいり混ぜることでみるみる懸垂の実力が向上していきました。
このことからも、懸垂を効率よく向上させるためにはメニューのマンネリ化を防ぐことだと実感しています。
日によってやり方を変えながら、マンネリ化することを防ぎましょう。
余力を残さない
懸垂のトレーニングは追い込みやすいので、毎セット後で限界まで追い込む意識が重要。
毎セットで余力を残してしまうと、漸進性過負荷の原理を破ることになるので当然筋トレの効率は下がる。
上がらなくなるまで懸垂を行ったあとも、いかにそこから追い込めるかが重要です。
追い込む方法としては、脚の力を使ったネガティブ懸垂が効果的です。
ネガティブではキツい反面、高出力を出せるので自分の実力以上の回数を懸垂でこなすことが出来ます。
パワーグリップを使う
パワーグリップを使って握力を補助することで、懸垂トレーニングの質を格段に向上できます。
懸垂でそれなりの回数が出来るようになると、ほぼ100パーセントの確立で握力が疲弊するようになります。
体力的にはまだ出来そうでも、バーにぶら下がる握力さえもセットの終盤ではなくなってしまうのです。
そうなると、懸垂で限界まで追い込むことがかなり難しくなります。
やっている最中も握力の方に意識が向かってしまい、思うようパフォーマンスを発揮することが出来ません。
懸垂を本格的にやり込むのであれば、迷わずパワーグリップを買うことをオススメします。
0回⇒10回まで懸垂を伸ばすメニューの組み方
筋トレ完全の初心者となると、懸垂が1回も出来ない場合も珍しくありません。
私が筋トレを始めた当初は、体重が60キロ程度しかなく筋肉の隆起は全くない典型的なガリガリ体型でした。
懸垂も腕を伸ばしきった状態からだと、1回も行うことが出来ませんでした。
そんな私でも、工夫して懸垂のメニューに取り組むことで3ヶ月程度で懸垂10回を達成することが出来ました。
筋肉で体重が増えていたにもかかわらず懸垂の回数が伸びましたので、腕力だけを見るとかなり向上していると思います。
今から紹介するメニューは、初心者でも取り組みやすい内容となっています。是非参考にしてみて下さい。
懸垂の伸ばし方については、以下の記事で詳しく解説しています↓。
ネガティブ懸垂
1回も懸垂をすることが出来ない人でも、耐えながら降りる程度は出来ると思います。
人間は伸ばしながら発揮する力が非常に強いので、懸垂でもこの性質を使っていきましょう。
伸ばしながら行うネガティブ懸垂では、懸垂に必要な筋肉にとても強い負荷を与えることが出来ます。
最初はオーソドックスに、10回3セットで取り入れてみて下さい。
2週間続けると効果が実感できるので、欺されたと思って取り組んでみて下さい。
逆手懸垂
ワイドの順手懸垂が出来ない場合は、逆手懸垂を試してみて下さい。
なぜ逆手懸垂だと良いのかというと、腕の筋力を総動員できるからです。
筋トレ初心者は背中に力を入れにくい分、腕の筋力を使いやすいです。
そのため逆手で握った方が腕の力を総動員でき、高い力を発揮することが出来ます。
ワイドの懸垂がギリギリ上がらない人は、逆手懸垂であれば2~3回できると思います。
2~3回程度の懸垂でも筋力を高めるのには効果的ですので、是非試してみて下さい。
アシスト懸垂
普通の懸垂をするのがキツいという人は、アシスト懸垂を試してみて下さい。
アシスト懸垂とは、ゴムバンドを使って負荷を軽減させた上で取り組む懸垂のことです。
ゴムの強度を高めるほど、懸垂の負荷は下がります。
アシスト懸垂になれると、ゴムの強度を減らしていって下さい。
少しずつ負荷を上げることで、やがては普通の懸垂が出来るようになります。
まとめ
今回は懸垂が最強の種目と言われている理由、について自分なりにいくつかまとめてみました。
今回述べたこと以外にもたくさんのメリットが懸垂には隠されていますので、実際にやってみてご自身で見つけてみて下さい。
それでは終わります。
ありがとうございました。
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